イーサリアム(Ethereum)とは?
分散アプリケーションプラットフォーム
イーサリアムは、分散アプリケーションプラットフォームです。
要するに、イーサリアムのブロックチェーン上で誰もがアプリケーションを作成して、走らせることができます。
これらのアプリケーションをDapps (Decentralized Applications)と呼びます。
もし、興味があれば、アプリケーションをクリックしてそのサイトを訪問してみましょう。より詳細な情報を見ることができます。
イーサリアムの開発はとても自由度が高いです。
これは、EVM(Ethereum Virtual Machine)と呼ばれる実行環境に支えられています。
イーサリアムのブロックチェーンを利用するためには、ETH(イーサ)と呼ばれる通貨を使います。
これは、GAS(ガス)とも呼ばれます。
もし、GASがなければ、無限にプログラムを実行できてしまい、イーサリアムのネットワークがパンクしてしまうため、GASという利用料を必要とすることで、システムを維持しています。
また、GASは、仮にプログラムが無限ループに陥ってしまった時に、GASが切れることで、プログラムを停止することができるという防止策にもなります。
スマートコントラクト
イーサリアムは、ブロックチェーンに取引記録だけではなく、「コントラクト(契約)」を書き込むことができます。
スマートコントラクトを利用すると、今までのコントラクトに必要不可欠だった第三者機関による保証が不要になります。
そして、当事者間で好きなようにコントラクトを結んで、それを自動執行することが可能になります。
これによって、さまざまな手間や費用を節減することができるため、非常に注目されている技術です。
そうすると、スマートコントラクトの応用範囲を限定してしまいがちになってしまうわ。
ポイントは、コントラクトもイーサリアムのブロックチェーン上で実行されるプログラムに過ぎないということを覚えておいて。
そして、コントラクトの自動執行とは、ブロックチェーン上でプログラムが実行されることよ。
イーサリアムとビットコインの違い
ビットコイン | イーサリアム | |
---|---|---|
①使用用途 | 送金・決済 | プラットフォーム |
②通貨単位 | BTC | ETH(イーサ) |
③創案者 | Satoshi Nakamoto | Vitalik Buterin |
④開始年月 | 2009年1月 | 2014年7月 |
⑤管理者 | 不在 | 不在 |
⑥開発 | ビットコインコア | ETH DEV |
⑦マイニング方式 | PoW | Pow → PoS |
⑧発行上限 | 2100万BTC | 未発表 |
⑨ブロック作成時間 | 約10分 | 約12秒 |
① 使用用途
イーサリアムとビットコインの決定的違いは、ビットコインが「送金・決済のための(仮想)通貨」であることに対して、イーサリアムは「開発のプラットフォーム」であることです。
② 通貨単位
ビットコインはBTCという通貨単位を使います。
イーサリアムはETH(イーサ)です。
③ 創案者
ビットコインの創案者は、謎の人物であるSatoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)です。
未だにその正体は明らかになっていません。
イーサリアムの創案者は、Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブリテン)というロシア出身のハッカーです。
彼は、ビットコインのシステムに感銘を受け、研究に勤しんだ後、独自の構想を持って、イーサリアムを考え出しました。
④ 開始年月
イーサリアムの開発は、2013年頃から始まり、2014年7~9月には、ICO(Initial Coin Offering)という資金調達方法で、約16億円弱の資金を獲得しました。
⑤ 管理者
管理者は、ビットコインもイーサリアムも不在です。P2P(Peer to Peer)ネットワークにより、民主的に管理されています。
⑥ 開発
ビットコインの開発は、「ビットコインコア」と呼ばれる人たちによって行われています。
イーサリアムの開発は、「ETH DEV」という団体と、世界中の有志により、行われています。
⑦ マイニング方式
マイニング方式(コンセンサス・アルゴリズム)は、現時点では、ビットコインとイーサリアムも同じPoW(Proof of Work)という仕組みが採用されていますが、イーサリアムは将来的にPoS(Proof of Stake)という仕組みに移行することが予定されています。
⑧ 発行上限
発行上限は、ビットコインが2100万BTCと明らかになっていることに対して、イーサリアムの発行上限は明らかになっていません。今後、この点について発表があるかもしれません。
⑨ ブロック作成時間
ブロック作成時間は、ビットコインが約10分かかるのに対して、イーサリアムは約12秒です。
イーサリアムとイーサリアムクラシックの違い
イーサリアムクラシックは、イーサリアムから分岐(ハードフォーク)して生まれた仮想通貨です。
「The DAO事件」とは、2016年6月に起きたイーサリアムをベースにしたプロジェクトへのハッキング事件です。
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、管理者不在であらかじめ定められたルールに則って意思決定を行う組織のことをいいます。
The DAOは「自律分散型投資ファンド」のことです。
The DAOは、ICOにより資金調達を行いました。
つまり、「DAO」と呼ばれる仮想通貨(トークン)をETH(イーサ)で購入することで、The DAOへの参加を認めたのです。
この結果、約150億円の資金を集めて、大きな注目を浴びました。
順調な滑り出しと思われましたが、「The DAO事件」が起こります。
ハッキングにより、約65億円のETH(イーサ)が盗まれてしまったのです。
その対応として、コミュニティーは攻撃をなかったことにするハードフォークを実行しました。
しかし、ハードフォークすることは、イーサリアムの理念に反すると主張したグループがイニシアティブをとって、イーサリアムクラシックが誕生しました。
ただ、イーサリアムの方が、ステークホルダーや資金が多いという意味では、優位性があると考えることもできるわね。
イーサリアムの価格や相場・チャート
時価総額はビットコインに次いで2位の位置をキープしている。
イーサリアムのチャートにビットコインのチャートを重ねてみなさい。
赤いラインがビットコインよ。
そう、ビットコインとイーサリアムのチャートの動きには、相関関係がみられるわ。
もちろん、これはただの偶然かもしれないけど、投資を判断する材料にはなるわね。
イーサリアム(Ethereum)の購入方法
おすすめの取引所
イーサリアムを扱っている取引所の中でおすすめなのは、coincheckです。
coincheckのイーサリアム販売所を使えば、日本円で簡単にイーサリアムを購入することができます。
この場合のイーサリアムの販売元はcoincheckになるので、coincheckのレートで取引することになります。
イーサリアムをおすすめしてる人の声
ビットコイン型のブロックチェーンの仕組みをスマートコントラクトに応用するイーサリアムに関してブログ書きました!
イーサリアムやべぇ。。。 | ホリエモンドットコム http://t.co/QTOBEIf4Tj; @HORIEMON_COMさんから— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2014年4月21日
仮想通貨ヘッジファンド、ポリチェーン・キャピタルのオラフ・カールソンウィー最高経営責任者(CEO)によれば、ブロックチェーン(分散型デジタル台帳)技術の一つである「イーサリアム」の通貨単位イーサの価値は2018年末までにビットコインを上回る可能性がある。
— 仮想通貨情報局 (@kasoutuuka_nem) 2017年9月13日
スマートコントラクトを実現するイーサリアムはエンタープライズ・イーサリアム・アライアンス(EEA)なんかは欧米の大手金融機関を始めとする企業がスマートコントラクトに可能性を感じて共同で創設してる。日本からはトヨタとBTMUが参画した。 pic.twitter.com/YaTAAmqM3X
— マロニエぼうや (@toujourspense) 2017年7月16日
イーサリアムは今後どうなっていくのか?
ただ将来について完全に予測することは不可能よ。
ここではネガティブな話題として「ICOバブルの持続可能性」を。
ポジティブな話題として「イーサリアムの大型アップデート」の説明をするわ。
現状、イーサリアム上のICOプロジェクトが数億、数十億円といった多額の資金調達を成功させています。ただ、ICOプロジェクトの大半は、将来的に失敗すると考えられています。これは、業界内部の人たちからしたら共通認識でしょう。
冷静に考えてみてください。まだ何も始まっていないプロジェクトが、レイアウトの綺麗なウェブサイトと綺麗事が並べてあるホワイトペーパー(プロジェクトの概要書)を書くだけで、多額の資金を調達できる状態は完全に異常といって差し支えありません。
もし、ICOバブルが弾けた時、イーサリアムの価格がどうなってしまうのか・・・。考えるだけで恐ろしいわ。
また、アプリケーションのバグをついたハッキングが発生するリスクも日に日に増えています。
イーサリアムを支持する方は、現在の状況について、冷静に分析した上で、投資を行うことが賢明でしょう。
それが、イーサリアムの大型アップデート!
イーサリアムは9月末に「メトロポリス」という大型のアップデートを予定しています。
そもそも、イーサリアムには4つの開発段階があります。
- フロンティア(Frontier)
- ホームステッド(Homestead)
- メトロポリス(Metropolis)
- セレ二ティ(Serenity)
このうちフロンティアとホームステッドはすでに完了済みです。
今回のメトロポリスでは、4つの変更がなされるといわれています。
1つ目は「プライバシー保護強化」です。
ユーザーがより高いレベルで匿名取引(トランザクション)を実行することが可能になり、プライバシー保護が強化されます。
2つ目は「スマートコントラクトの簡略化によるコスト削減」です。
イーサリアムを使ったプログラミングとスマートコントラクトの記述が簡略化され、プログラマーの負担が軽減されます。
3つ目は「セキュリティ強化」です。
ユーザー自身で秘密鍵を持つアドレスを決めることができ、セキュリティを強化します。
これは、マスキングと呼ばれる技術です。
4つ目は「マイニング方式移行(PoW → PoS)のための準備」です。
ETH(イーサ)のマイニングにおけるコンセンサス・サルゴリズムがPoW(Proof of Work)から「Proof of Stake」に変更するための準備が行われます。
- 一部のグループによる中央集権化が起こる可能性
- 51パーセント問題により不正が起こる可能性
- マイニングによる電気代がかかる
ざっくり解説すると、PoWは、「最も計算(仕事)をした人」が報酬をもらえる。
一方、PoSでは、「所有している通貨の量」によって、報酬が決まる仕組みになっているんだ。
ひとまず、「メトロポリス」によってイーサリアムがどのような値動きをするのか、注目して見守りましょう。
随時追記!イーサリアムに関する今後の情報
2017年10月31日にAmazonが仮想通貨に関するドメインを3つ取得してます。
その3つとは以下の通り。
- amazonethereum.com
- amazoncryptocurrency.com
- amazoncryptocurrencies.com
cryptocurrency、cryptocurrenciesについては暗号通貨の英訳になりますが暗号通貨の中で更に名出しで「イーサリアム」を取得してます。
それだけAmazonが相乗効果を上げられる期待の通貨であると言えるかもしれません。
まとめ
今回は、これでおしまい。
お疲れ様でした!
今回は、イーサリアムについて詳しく解説します!